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チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト
アートとサウナ 六本木
体験レポート
その22021年3月22日(月)~11月23日(火・祝)
東京・六本木
※ 11月23日(火・祝)まで会期延長
チームラボリコネクト:静かな覚醒へと導く、究極の仕掛け
◆球体アートとの一体感
本展では温冷浴とアート浴を3回繰返すことを想定しているのですが、実はこの日は、4回目のサウナと冷水浴をしました(※)。
そのあとで、最後にもう一度、球体のアート「空中浮揚」を見ました。
その時、自分の中ですごく不思議な感覚が生まれました。
ぽっかりと空間に浮かんでは浮遊して動く球体と、私の間には物理的な距離があります。私と球体は別のものです。
それなのに、今度は球体が自分の身体の一部のようにつながっているような感覚が、身体の奥底で芽生えて満たされていく。そして、それを他人事のように、外から静かに見ている自分がいました。
※温冷交代浴は4回するとふらつく人もおり、通常は3回まで。今回はサウナの時間をすべて慎重に管理しながら入りました。
◆サウナ&アート体験後の身体感覚
退館後は、お腹も空いてきます。この日はランチに塩辛くてスパイシーなカレーを食べましたが、食べ物がすっと身体に入ってくる感じでした。
サウナでは汗とともに塩分やミネラルが体内から排出されてしまうので、それを補うことが大事、とのこと。
そのほか、汗とともに老廃物が出たデトックス効果なのか、身体の内側からさっぱりとした感覚があり、新陳代謝が活発となった効果か、就寝するまでぽかぽかと温かい感じが続きました。
同時に、リラックスしてゆるんだせいか、午後から夕方までちょっと眠くなり、バカンスで感じるような心地よい「けだるさ」もありました。
◆サウナ&アート体験後の意識
身体はリラックスしているのに、意識が研ぎ澄まされたような妙な感覚は、退館後も、翌日の昼までおよそ24時間超続きました。
脳や意識の変化も、効果の感じ方は人それぞれだと思います。
2時間仕事が1時間で片付くほど、集中力が高まる方もいらっしゃるようです。
集中力のほかに、私の場合は、遠くにいる人のことがすぐ近くに感じられたり、自分の身体が愛おしいような感覚も生じました。
◆チームラボリコネクトは、究極のマインドフルネス
サウナで「ととのった」状態になって「アート浴」をした効果は、一体どんなものだったのか?
簡単にいえば、マインドフルネス瞑想をした後に、脳が静かになり、それでいて周りの環境に気づきが「開いて」いるような、そんな感じに似ていました。
ヨガをする人なら、一連のポーズのシークエンスの最後に、意識的な呼吸をやめて完全に床に身をゆだねる「死体のポーズ」の感覚がわかりやすいかもしれません。
身体が自己回復されてバランスを取り戻し、最高にリラックスしているのに、意識は覚醒しているような感じ。
あるいは、走る人の「ランナーズ・ハイ」や、ジムでの筋トレ、登山、耐久レースの後にくる高揚感。
さらには、修験道の火渡り、茶道の儀式、武道の実践でもおそらく入っていけるであろう、緊張と深いリラックスの中で集中力が非常に高まった状態と、同様の効果なのかもしれません。
これらはいずれも「痛み」(筋肉への負荷)を伴ったり、ある程度の経験(深い瞑想状態に入る手順の習得と実践)が必要であったり、<そこ>に至るまでが結構大変そうです。
ところが、本展の体験では、そうした痛みはいらないばかりか、健康的で、その環境の中に身を置くだけ。気持ち良く、リラックスするだけでよい。
チームラボの「サウナ」+「冷水浴」+「アート」は、最高に ”ズルい” 仕掛けでした。
◆サウナを越える、アートの役割そこにはしかも、サウナだけではなく、「アートを見る」「アートと過ごす」という時間と行為が織り込まれています。
サウナだけでは、普段は<そこ>には到達できない「間」であり、石庭を見て瞑想するかのごとくの時間です。
この上質の「間」があることによって、サウナと冷水浴をする行為自体も、より丁寧で、深い体験となる。
それゆえ、サウナだけでは得られない状態までに「ととのい」、効果がさらに深く、長く、強く続くのではないでしょうか?
おそらく、「サ道・モード」のサウナ通の方々にも本展が “ささっている” のも、そのあたりかもしれません。
チームラボリコネクトは、アートとサウナを用いた「究極のマインドフルネス」であり、「禅」の瞑想であったようです。
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