ゴッホ展 東京都美術館

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  • ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

    2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)
    東京都美術館

     

    1853年にオランダに生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、1886年にパリに移り、この地でさまざま刺激を受けながら、自らの絵画表現を模索。そこで大きな役割を果たしたものの一つが、日本の浮世絵でした。

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《花魁(溪斎英泉による)》 1887年、油彩・綿布、
    ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
    ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)


    ファン・ゴッホは浮世絵版画を収集し、それを模写した油彩画を描き、構図や色彩を学ぶとともに、独自の日本のイメージを醸成。1888年に芸術家たちの共同体を作ろうと赴いた南仏のアルルでは、大いなる期待を胸に訪れたこの地を、しばしば日本と重ね合わせています。

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《寝室》 1888年、油彩・カンヴァス、
    ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
    ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)


    一方、精神的な発作に悩まされていたファン・ゴッホは、医師のポール・ガシェを頼って、1890年、パリ近郊の農村オーヴェール=シュル=オワーズに移住。その年、そこで息を引き取りました(死因は諸説あり)。

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《ポプラ林の中の二人》 1890年、油彩・カンヴァス、シンシナティ美術館蔵(メアリー ・E. ・ジョンストン遺贈)


    その後、今度は日本人がこの画家を賞賛し、理想化するようになります。1920年代には多くが彼の終焉の地を訪れました。最晩年に交友を持った医師ガシェの一族のもとに残されていた3冊の芳名録(国立ギメ東洋美術館所蔵)には、日本の画家や文学者たち240名あまりの署名が記されています。

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《ガッシェ博士の肖像》 1890年、エッチング・紙、
    東京藝術大学大学美術館蔵東京はブリヂストン美術館所蔵作品を展示

     

    ゴッホ展の見どころ

    本展は、ファン・ゴッホ美術館(オランダ・アムステルダム)との本格的国際共同プロジェクトとして、「ファン・ゴッホのジャポニスム」と「日本人のファン・ゴッホ巡礼」に光を当てます。

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《画家としての自画像》1887/88年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
    ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

     


    ◆ファン・ゴッホのジャポニスム

    ファン・ゴッホは、日本から如何なる影響を受け、如何なるイメージを抱いていたのか。国内外のコレクションから厳選したファン・ゴッホ作品約40点と、同時代の画家の作品浮世絵など50点あまりを通して、その実像を多角的に検証します。

     
    溪斎英泉《雲龍打掛の花魁》 1820~1830年代(文政後期~天保前期)木版・紙、
    千葉市美術館蔵 東京展後期展示、

     
    二代 歌川芳丸《新板虫尽》(部分) 1883(明治16)年 、木版・紙、
    ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
    ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ》1887年、油彩・カンヴァス、
    ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
    ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

     
    フィンセント・ファン・ゴッホ《雪景色》1888年、油彩・カンヴァス
    個人蔵 ©Roy Fox
    フィンセント・ファン・ゴッホ《夾竹桃と本のある静物》1888年、油彩・カンヴァス、
    メトロポリタン美術館蔵(ジョン・L.・ローブ夫妻寄贈)
    ©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY


    ◆日本人のファン・ゴッホ巡礼

    最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録とともに、約80点の豊富な資料によってたどります。ファン・ゴッホの死から間もない時期に、その作品や生涯を熱心に紹介した、小説家の武者小路実篤、画家の斎藤與里岸田劉生、美術史家の児島喜久雄ら「白樺派」及びその周辺の文学者や美術家たち。熱狂の渦は徐々に広がり、大正から昭和初期にかけて、少なからぬ日本人がファン・ゴッホの生の軌跡を求めてオーヴェール=シュル=オワーズを訪れました。

     
    佐伯祐三《オーヴェールの教会》1924(大正13)年、油彩・カンヴァス、鳥取県立博物館蔵
    前田寛治《ゴッホの墓》1923(大正12)年、油彩・カンヴァス、個人蔵

※情報は掲載時のものであり、変更されることもあります。詳細は主催者にご確認ください。

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