能 ～ことばを超えて、世界へ向けて～

喜多能楽堂（十四世喜多六平太記念能楽堂）
2015年11月21日（土）

 
ゆるやかな所作の中にこめられた強力なエネルギー。美しいまでにシンプルな空間で、登場人物が自由自在に時空を移動する超越性。じわりと立ちのぼり、ほとばしる感情。舞台芸術として完成度の高い能ですが、現代の人には古典は言葉も難しく敬遠されがちであることから、近年、いろいろな試みがなされています。

「能 ～ことばを超えて、世界へ向けて～」は、日英2ヶ国語による仕舞の比較や、2ヶ国語混合の能の上演を通してことばの壁を超えて、世界へ向けて「能」を発信する初めての試みです。長島茂、狩野了一、大島輝久ほか喜多流能楽師が、安田登、茂山童司、リチャード・エマート（米国オハイオ州出身、日本で40年以上にわたり能を研究）など英語による能狂言にも取り組む演者を喜多能楽堂に迎えて、能「黒塚」のほか、バイリンガル版の狂言や仕舞（装束や面は用いず、地謡で舞う）を日本語版、英語版、バイリンガル版で演じます。

鬼女物の「黒塚」では、山伏たちとのやりとりの中で浮き彫りとなる、恨みの中にもどこか哀しみが漂う女の感情の陰影を、ツイッター解説します（@noh_borders でフォローしてください）。上演前に能面や装束、楽器に触れることができる体験コーナーは、外国人の方のために英語通訳つき。座席は全席指定ですので、お早めに。