-
「横尾忠則 寒山百得」展
2023年9月12日(火)~12月3日(日)
東京国立博物館 表慶館
唐時代に生きた伝説的な詩僧、寒山(かんざん)と拾得(じっとく)。
本展では、世界的な現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作102点を一挙初公開しています。
今回は「横尾忠則 寒山百得」展の様子をレポートします。
(写真:本展会場風景、文中敬称略)
「横尾忠則 寒山百得」展 レポート
「横尾忠則 寒山百得」展の会場は、東京国立博物館の表慶館。
表慶館はギリシャ・ローマの古代様式にならい、中央に円形ホール、両端に小ドームがある優美な歴史的建造物です。
その館内に横尾忠則の102点の作品が並ぶさまは圧巻です。
コロナ禍の1年の間に、横尾忠則がアトリエで創作し続けた「寒山拾得」。
テーマ、色遣い、画風を変えながら、メタモルフォーゼしていく飄々とした寒山と拾得の世界が次々と展開していきます。
横尾忠則の拾得は箒を、寒山は経典の巻物の代わりにトイレットペーパーを携えているのですが、トレードマークのトイレットペーパーとともに便器に座ったり背負ったり、箒はバキュームクリーナー(掃除機)に変わったり……。
そんな二人組は、赤いじゅうたんに乗ってインド的世界にいたかと思えば、フランスの印象派の森のピクニックのような世界にいたり。
箒が魔法使いの箒になって、宇宙(ソラ)を飛んだり、(北斎漫画のように)組体操してみたり。
ドン・キホーテから、アルセーヌ・ルパンになったかと思えば、江戸川乱歩とエドガー・アラン・ポーだったり。
MLB、オリンピック、アインシュタインの相対性理論、ゴッホや絵描き(”Y”?)も登場。
寒山と拾得は時空を超えて、七変化していきます。
「横尾忠則 寒山百得」展はワクワク、心躍る展覧会です。
◆関連企画
特集「東京国立博物館の寒山拾得図―伝説の風狂僧への憧れ―」
本館(特別1室)では「横尾忠則 寒山百得」展の期間中11月5日(日)まで、東京国立博物館が誇る「寒山拾得図」を展覧する特別企画を開催。
1ページ「概要」/ 2ページ「インフォメーション」