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特別展「ポンペイ」
2022年1月14日(金)~4月3日(日)
東京国立博物館
特別展「ポンペイ」では、フレスコ画や彫像を始め「ポンペイ遺跡」の貴重な埋蔵文化財の数々がかつてない規模で来日しています。
2022年初め、ぜひ見ておきたい展覧会の一つです。
「トーハク」として知られる東京国立博物館(上野公園)の後、京都、福岡、宮城に巡回予定。
特別展「ポンペイ」はこんな人におすすめ
・ポンペイ遺跡について知りたい人。
・古代ローマ時代の遺跡やヘレニズム文化の遺物が好きな人。
・世界遺産が好きな人。
・普通のアート展では飽き足らない人。
・映像や家の模型など、複合的な体験がしてみたい人。
・その他:イタリアが好きな人、旅行気分に浸りたい人、「テルマエ・ロマエ」の世界を愛する人(?)など
ポンペイ遺跡
イタリアの中南部、 ナポリの南東約20 km に位置するポンペイ。
西暦前2世紀頃に大きく栄え、ギリシャからやがて紀元前89年にローマの支配下に入った街です。碁盤目状に整備され、広場、上水道、円形闘技場や大劇場、公共浴場なども備えていました。
しかし79年、北西にあるヴェスヴィオ山の噴火によって、街全体が一気に火山灰に埋もれてしまいました。
約1700年埋もれていた街は、18世紀からの発掘でまるでタイムカプセルが掘り起こされたかのように出現しました。
ポンペイの遺跡群はユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産リストに「ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域」として1997年に登録されています。
特別展「ポンペイ」の様子
ヨーロッパに気軽に旅行できない今、ナポリ国立考古学博物館が所蔵する約150点もの名品を存分に観賞できる、貴重な機会となっています。
大スクリーンでの映像や、一部再現展示も豊富です。
◆ポンペイの街 公共建築と宗教
【フォルムの日常風景】
62年から79年に制作されたフレスコ画。
ポンペイと思われる町の広場(「フォルム」、英語風に言えばフォーラム)で人々が様々な活動をしている。
【日時計】
時計盤の目盛の刻まれた大理石の版に鉛直の指針が立っていた。
【擬アルカイック様式のアポロ】
【食卓のヘラクレス】
【ウェヌス】
ポンペイの街の守護神(女神)だった。英語風に言えば、ヴィーナス。
大劇場からの出土品
◆上流社会の人々の豪奢な暮らし
【黒曜石の杯】
アレクサンドリアの職人の作と言われる作品。
【ヘタイラ(遊女)のいる饗宴】
【マケドニアの王子と哲学者】
【哲学者たち】
◆様々な女性像
家父長制のローマと同様、ポンペイでも女性の地位は高くなかったが、家の女主人であるマトローナ(既婚女性)は敬意を持って遇された。
【エウマキア像】
【マトローナ(既婚女性)】
◆ジュエリーなど
ジュエリーの有名どころのデザインも既にこの頃までに登場している感がある。
【書字板と尖筆を持つ女性 (通称「サッフォー」)】
ココ・シャネル風で、一昔前のパリにいそうな感じがします。こちらが手にしているのはタバコではなく、ペンですが。
【ヘルマフロディトスとシレノス】
【テーブル天板(通称「メメント・モリ」)】
【金庫】
コイン
◆人々の暮らし 食と仕事
【瓶とケース】
【目玉焼き器、あるいは丸パン焼き器】
粉モン好きの人が見たら喜びそうな?
【パン屋の店先】
近代のパン屋の風景でも違和感なく、現代の絵本の挿絵でも良さそうな感じです。
◆仕事と道具類
【膣鏡】
ポンペイではブロンズ製で形が良い 、優れた外科器具が発見されている。
【ユピテル=アンモン形の錘付き竿秤】
◆猛犬注意本展のアイコンともなっている、家の番犬をあしらったモザイク作品。
◆ファウヌスの家
一軒で一つの街区(約3000平方メートル)を占める、ポンペイで最大の邸宅。紀元前180年から170年に特権階級の邸宅として建築され、ローマ化以前のポンペイの豊かさやヘレニズム文化の色合いを現代に伝えている。
【踊るファウヌス】
ファウヌスの家のアトリウムで発見された、ギリシャ神話のサテュロスのブロンズ像。
実際にはローマ神話のファウヌスでなくギリシャ神話のサテュロスで、ポンペイがローマ化される前のヘレニズム文化を垣間見ることができる作品。
【イセエビとタコの戦い】
【スフィンクスのテーブル脚】
大理石のテーブルについていた脚。
【葉綱と悲劇の仮面】
様々な果実や葉とともに悲劇用仮面が描かれたモザイク作品。
インパクト大!
◆竪琴奏者の家
【詩人】
【祭壇】
ポンペイでは家庭の礼拝に用いられた小さな祭壇が数多く発見されている。
【竪琴を弾くアポロ】
【家の模型】
◆発掘のいま、むかし:エルコラーノ
エルコラーノは古代都市ヘルクラネウムの遺跡が発見された場所。火山灰で徐々に埋もれたポンペイとは異なり、ヘルクラネウムは高熱の火砕流で一気に埋もれたため、炭化した木材が崩れずに保存されている。
【ペプロスを着た女性(通称「踊り子」)】
◆発掘のいま、むかし:ソンマ ・ヴェスヴィアーナ
ヴェスヴィオ山の北側のローマ時代の遺構。
【ヒョウを抱くバックス(デュオニュソス)】
特別展「ポンペイ」限定グッズ
会場には「猛犬注意」をあしらった T シャツを始め、特別展「ポンペイ」限定グッズがたくさん。
ポムポムプリンの特別展「ポンペイ」コラボグッズは種類豊富ですが、とりわけ「ポンペイ」のモザイク画に模したデザインは秀逸でした。
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