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バンクシー展 天才か反逆者か
2021年12月12日(日)~2022年3月8日(火)
WITH HARAJUKU
世界巡回展『BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』は、東京の原宿駅前に上陸中。
今回は、その実際の様子と見どころの一部をレポートにしてお届けします。
有名作品の数々が登場するほか、バンクシー作品におけるストリートとアートとの間、作品テーマが驚くほどわかりやすく紡がれています。
原宿でバンクシーの作品とその世界に没入!
バンクシーが知りたい、一度見てみたいという人におススメです。
(※写真は全て、展示風景)
◆バンクシーアートの本質とは
英語で「vandal」といえば、「(路上などで)器物損壊する悪い人」。建物や器物を壊したり汚したり、スプレーで落書きする「ワル」です。
アートの世界では、この語を使って主流アートに反逆する路上アーティストについて論じることもあります。
本展はバンクシーとは誰なのか、果たして ”vandal” なのか、それとも天才なのか、という疑問に迫る展覧会となっています。
展覧会を通してあなたがどう感じるか、それがその答えとなります。
◆バンクシーの素顔?
まずはバンクシーのアトリエや、バンクシーを映した写真から。
再現されたバンクシーのアトリエには、この展覧会に登場する絵もあります。
バンクシーの初期のアトリエの写真の背面には、ブルドッグの作品も見えます。
◆バンクシー作品の ”パンク” 性
まかり通る社会規範への「異議申し立て」としてのバンクシー作品は、牧歌的な風刺から、冒涜すれすれの域まで達します。
作品を見ながら、その矛先を日本の国会や政治、皇室や商業主義や宗教道徳観に置き換えてみてください。
バンクシー作品が、英国王室や議会、ユダヤ・キリスト教的世界観とともにある文化の中でどんなにパンクで強烈であるか、想像できます。
英国社会では反逆文化としての「パンク」は、生き続けています。
会場から、バンクシーの “パンク”的なエネルギーは感じられるでしょうか?
◆バンクシー展のテーマ
本展では5つほどの大きなテーマを中心にバンクシー作品がよくわかるキュレーションとなっています。
主なテーマとして、「消費」「反戦」「政治」「模倣と創作」「ネズミ」などがあり、そこにバンクシーの資本主義、監視社会、環境、人道、パレスチナ問題への視座といった要素が加わります。
バンクシー展 実際の展示作品例
警察のヘルメットをミラーボールにした作品。日本では原宿で初登場。
アンディ・ウォーホルとバンクシー
展示室の目玉には、アンディ・ウォーホルによる10連作の《マリリン・モンロー》と、バンクシーによる6連作の《ケイト・モス》。
ジャン=ミシェル・バスキア
アメリカの80年代のアートシーンを席巻したジャン=ミシェル・バスキアは、ストリートアートの先駆者であり、バンクシーに少なからぬインスピレーションを与えています。
バスキアはまた、ウォーホルとの数多くの共作を残した人でもあります。
ベリー・リトル・ヘルプス
《ベリー・リトル・ヘルプス》は《パンツ(ベリー・リトル・ヘルプス)》と反転した構図になっています。旗に掲げているのはスーパー大手テスコのビニール袋(右)と星条旗のカラーに塗られたパンツ(中央)。
ウォールド・オフ・ホテルとスロウアー
バンクシーが2017年3月にオープンした「ウォールド・オフ・ホテル(壁で分断されたホテル)」。パレスチナ自治区内、イスラエル政府がパレスチナとの間に築いた隔離壁のすぐ隣に建つホテルからは、バンクシー曰く「世界一悪い眺め」が望めるそう。
《スロウアー》は《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》の三連作バージョンで、ホテルに展示される20点超のバンクシー作品の一つ。「投げる人」が手にするのは、石や爆弾ではなく、花束。
バンクシーのアイコンである「ネズミ」たち
可愛いネズミではなく、ストリートを徘徊してしぶとく生き残る「ドブネズミ」。
「POW」とは、バンクシーのプリント作品の発行を手掛けるピクチャーズ・オン・ウォールズの頭文字。
ガール・ウィズ・バルーン
会場では、2018年にサザビーズでのオークションで本作品が額縁内蔵のシュレッダーにかけられた事件について、バンクシーがSNS に投稿した動画も見られます。
◆フォトスポット
会場にある複数のフォトスポットで記念撮影ができます。
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